痔瘻は肛門の中から壁のなかへ、便と一緒に大腸菌などの細菌が侵入し、化膿することによって始まります。化膿はお尻の周りの筋肉内や脂肪組織のなかを進行し、モグラの巣のような膿のトンネルができ上がります。
この膿がお尻の周りに池のようにたまった状態を肛門周囲膿ようといい、早急に切開しなくてはなりません。慢性になってしまった痔瘻は良くなったり腫れて悪くなったりを繰り返しながらだんだん成長して大きくなっていきます。
痔瘻は薬では絶対に治りません。早期のうちの手術なら簡単にすみます。
急いで肛門科を受診してください。
痔瘻の治療法の基本は膿が肛門の壁のなかに入る入り口を取り除くことです。
小さいものならば糸を通すだけまたは小さくその部分を切開すれば治ります。
大きくなったものは炎症の範囲を十分に開かないとあとで再発に悩みます。
しかしほとんどの場合入院の必要はありません。
十分に仕事に復帰するには1ないし2週間は必要ですがそれほど生活のリズムには影響しないようになってます。
痔瘻を長く放っておいた場合にそこから癌が発生することがあります。これを痔瘻がんといい診断がかなり難しく発見が遅れることもあります。
この場合は人工肛門になってしまうことを免れません。この意味でも痔瘻は放置しないで治してほしいと思います。